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  • 中国・香港出張レポート:現場の変化に学ぶ、これからの価値創造

2025年05月19日

先日、数年ぶりに中国・上海と香港へ出張しました。
久しぶりの訪問となりましたが、そこで感じたのは「想像以上の変化と成長」そして「リアルの熱気」です。

中国のEVは”製品”ではなく”体験”になっていた
上海では複数のEVショールームや街中の様子を視察しました。BYD、NIO、Xpengといった企業は、単なる電気自動車の枠を超えて、AIと連動したライフスタイル全体を提案しているように感じました。これはもはや”電気で走る車”ではなく、AIとUX(ユーザー体験)が融合した”総合プロダクト”と呼べるものでした。
私たちが目指すWMSやロジスティクス領域にも、こうした”体験主導”の考え方がいずれ求められると感じました。

消費と都市インフラの進化が止まらない
香港では、コロナ後の空白を感じさせないほどの活気があり、「こんなに人が戻っているのか」と驚かされました。
モールや空港、MTR(鉄道)には多くの人が行き交い、高齢者もスマホで注文・予約・支払いを自然に使いこなしていました。そして銀泰(インタイ)などのリアル店舗では、モバイル+人の接客がうまく融合されていました。
特に印象的だったのは、インフラ整備のスピードと運用の精度です。スマート交通、デジタル券売、混雑緩和設計など、物流業界にも通じる高い設計思想を強く感じました。空港からホテルまではいくつもの吊り橋を経由してアクセスしましたが、それがごく自然に効率的に機能していることにも感心しました。
さらに、今ではマカオまでも陸路で行けるという現実に、都市間をつなぐインフラの進化と規模の大きさを実感しました。

経営者としての気づき
1.AIは中国製であっても侮れない
ChatGPTだけでなく、Alibabaの「通義千問」、Baiduの「文心一言」など、現地開発の生成AIもすでに実用段階にありました。一方で、中国国内ではChatGPTやGoogleなどの海外製AIサービスは一切利用できないという制限があります。
つまり、中国は”完全に独立したAIエコシステム”を築いており、中国市場に展開するなら”現地対応”が必須であると実感しました。

2.デジタルとリアルの融合が鍵になる
完全オンラインよりも、”リアル+モバイル”、”人間+AI”が自然で心地よい流れとして根付いています。

3.自社の未来にも多くのヒントがある
今回、中国で「スマートキャリーを販売したらどうか?」と現地関係者に話を振ってみたところ、既に類似商品が非常に安価で流通しているとの声が多く返ってきました。
私たちの技術や設計力は高くても、価格とスピード感では現地企業が圧倒的に先を行っている──その現実を正面から受け止めつつ、我々が提供すべき“価値の質”をより明確にしていく必要があると強く感じました。

社員の皆さんへ
今回の出張を通じて、現地に出て自分の目で見ることの重要性を改めて感じました。中国や香港のスピード感や熱量は、私たちにとって驚きであると同時に刺激でもあります。
今後も皆さんと一緒に、現場から学びながら、より価値あるソリューションを共に創り上げていきたいと思っています。
感じたことや意見があれば、メールや直接のやりとりでも構いません。ぜひお聞かせください。